


まずは、すべての会場に共通する『ライアーゲーム』の世界観を紹介します。
お話は『シーズン1』に引き続き、美術デザインを担当している坪田幸之さんです。
「そもそもライアーゲーム事務局とはどんな団体で、何をしていて、首謀者は誰で、どういうお金が動いているのか…、それらすべてが謎に包まれている組織。ゲーム参加者は、得体の知れない組織に動かされる恐怖の中で、自ら借金を背負う可能性を抱えながら大金が動くゲームに参加しているという大前提があります」。事務局が謎に包まれているにも関わらず、巨大な組織であるとわかるのが会場。これまで会場として使われているのは、閉鎖になったホテル、空港(厳密には工事中)、パチンコ屋、大型ショッピングセンターなどの大きな廃墟。これらを牛耳っている組織であることが推測できます。
「そのまま使ったのでは、ただの寂しい古い建物。そこに不気味さや怪しさを出すべく、色を乗せています。それは『シーズン1』から統一しているコンセプトで、原色やビビットな色と電飾が全体的に使っています」。これは通常のドラマではありえないこと。それにも、もちろん理由があります。「『ライアーゲーム』のおもしろさは見ている人が“実際にありそうで、なさそうで…”と感じる現実と非現実のギリギリの世界観。ゲーム部分では駆け引きがリアルに行われてるので、セットに色をつけることで虚像の世界であることを象徴するという狙いがあります」。そして、こんな工夫もされています。「1つの建物の中で、参加者たちの間ではいろいろな人間模様が展開されます。戦いの場(ゲームエリア)での駆け引きはもちろん、それぞれのチームがそれぞれのエリアにわかれ相談したり作戦会議が行われる。映像ではそれを様々な角度から見ることになりますが、その時に同じような背景にならないこと、背景でチームや人間がわかるように工夫しています」。


神崎直、秋山深一が2年ぶりに挑むライアーゲーム。その最初の戦いとなる第4回戦で会場として連れて来られたのは廃墟となっている元大型ショッピングセンター。撮影でも現在は使われていないショッピングセンターが使われました。まず目を引くのが、会場中央にそびえ立つかのように存在するモニター。縦54m×横72mという巨大なモニターです。
「ナオたちが入った時は会場は真っ暗な状態。不安をあおったところで、いきなり電気がつき、目の前にソラリオが映ったモニターが登場する。かなりのインパクトになります。さらに、このモニターはシースルー素材が使われていて、電気が入っていない状態だと後ろが透けて見える。つまり入ってきたナオたちにはモニターの存在がわからないので、モニターが点いた時の衝撃をより大きくなるという効果もあります」。

4回戦はチーム戦で、6人が太陽ノ国と月ノ国にわかれて対決しています。一見してわかるように、太陽ノ国は赤、月ノ国は黄色がチームカラーです。「電飾などでゲームエリアは半分ずつに、各チームエリアはそれぞれのチームカラーで統一しています。ただし、太陽ノ国は赤のほかピンクや黄緑を、月ノ国は黄色のほか青や紫といった色を入れ込んでいます。1色だけだとかえって、色が色をつぶしてしまう。補色を混ぜることで、色が効果的に際立つ特性を生かしています。また太陽ノ国にはゴールド、月ノ国にはシルバーも加えています」。会場の左右にあるエレベーターと階段も赤と黄色に色分けされています。「こうすることで、チームエリアからゲームエリアに下りてくるプレイヤーのルートが明確になります」。

各チームエリアは部屋のように見えますが、これもセット。元は手すりのみの空間でした。「1階のゲームエリアをのぞける空間が必要でした。そのために、手すりの下にパレットを、上には透明なアクリル板を貼りつけることで大きな窓のある部屋のように見せています。窓をつけているのはゲームの特質上、防音でなくてはならなかったのも理由の1つです」。その窓枠や会場のあらゆる所にある柱にも注目です。「ゴシック調の柄がほどこされていますが、これはファイナルである映画の会場にも使用されているもの。そこで、ライアーゲーム事務局の建物である統一感が生まれます。この柱も太陽ノ国エリアにあるものはゴールド、月ノ国エリアにあるものはシルバーになっています」。さらに、チームエリアにもこんな工夫が。「ここは作戦を立てるほか、プレイヤーがゲームの緊張から解き放たれる場所でもあるので、壁面に絵を描いたりして少しだけ柔らかい空気を出しています。反対にゲームエリアにはペイントされたマネキン、壊れたタンス、電飾のついたドラム缶などが置かれています。プレイヤーの背後に映りこむことで、廃墟であることやその不気味さを出しています」


『シーズン1』に登場したレロニラ、4回戦に登場したソラリオといったディーラーも、ドラマにあたってデザインされたオリジナルです。「ソラリオは、太陽と月をイメージしたキャラクターです。これらディーラーに統一しているのは、普通の場所で見ればかわいく見えるけど、薄暗い中でスポットを当てられノイズの入った画面に映ることで不気味に見えること。5話以降、また新しいディーラーが登場します」。 ディーラーのほかにもライアーゲームへの招待状、ゲームで使われているトランプ、会場にあるチームが明記されていている看板など、すべてオリジナルデザインです。
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