僕は、原作の漫画を読んだことがなかったんです。映画は見たので、それが僕にとって最初の『ハチクロ』だったわけですけど、その後、原作を見ると印象が違ってて…。今回は、原作に近いと思うんです。5人を中心とした大学生活とか恋愛の話とか…。しかもそこに、表面的なところではわからない深層心理が隠されていて、深い作品だな、と思いました。
すいません。先に謝っておきます(笑)。
ホントに、初めて会ったとは思えないくらいでした。よく、みんなとも話すんですけど、今回、(クランクイン前に)リハーサルをやったんですね。それがよかったとは思います。そこでコミュニケーションをとることができたので、仲良くなるスピードを加速させたっていうのはあると思います。
僕もそう思います。そこがひとつの壁というか、そこができないと何も成立しなくなってしまうので…。5人のグルーブ感があるからこそ、個々の恋愛とか悩みの部分が引き立ってくるわけですからね。そういう落差をつけるために、テンションを上げなければいけないところとかは、キャラクターを壊さない程度に思いっきりハジけてやろう、って思っていましたし。みんなもそれは当然意識していて、だからこそ仲良くならないと、という意識があったから、余計に良かったんだろうな、って思います。
僕が見ていても、漫画から抜け出してきたような感じがします。僕もメガネをかけていますし、みんなも役衣装だったりするから、そういう中で付き合っていると、ホントにそう見えてくるんですよ。芝居をしていても、あまり芝居がかっていないというか…。それって、役者としては一番いいことでもあると思うんです。楽しいし、自然に入り込めていてる、という意味で。
ちゃんと話し合った、ということはないんですけど、現場でその都度、気になったことは話し合うようにしています。原作を読んだとき、真山が出てくる場面しか読まないようにしていたんです。そこから感じたものを、演じるようにしようと思っていたんですね。それは、なかなか言葉で表すのは難しいんですけど、お芝居を見てもらってからでないと評価もできないだろうし、始まる前から「こういうヤツだ!」っていう風に固めたくなかったので…。入ってからですね。「真山ってこういうヤツだよね」みたいなことを、まるで真山が隣にいるかのように、監督と僕とで話すようになったのは。それで、ある程度、真山というキャラクターを作っていって、漫画で描かれていない隙間を自分で埋めていきながら自分を近づけていこうと。違うところももちろんあるんですけど、共通点もいっぱいあるから、そこを探しながら近づけていった感じですね。
人によってやり方はいろいろあると思いますし、作品によっても変わってくる部分はあるんでしょうけどね。ただ、原作があるものはそれを読んだ方がいいと思いますし…。細かい動き…口に手を当てていたり、メガネを触ったり、っていう手のクセが結構あるんですよね。分析しちゃうんですけど(笑)、彼は手をブラブラさせているのがイヤなタイプなのかもしれないですね。だから、ポケットに手を入れている場面も結構多いし…。
(笑)僕も…一度、漫画を通して読んだときに、すごくいい女の子なので、好きになっちゃいそうで、「これはもうダメだ!」と(笑)。だから、山田あゆみのプライベートシーンを読むのは止めました。真山が知らない部分で、理花さんにも負けないくらい繊細で、しかもいい子で…。だから、「真山がいないとダメなのかも…」って思ってしまうんですけど、ホントにこの『ハチミツとクローバー』の世界があったとしたら、真山はあゆみのそういうシーンを知らないわけじゃないですか。山田あゆみが泣いている、とか…。唯一、そういうところを見ているのは、彼女を背負うところだけですよね。僕自身、「何故あゆみじゃダメなんだ?」っていう感情で演じたくなかったので、あんまり読まないようにしてましたね(笑)。
ホントにそうです! でも、自分の仕事はそこじゃないと思ったので(笑)。
気をつけているのは、みんながいい人だということなんですよね。5人だけじゃなくて、ほかの登場人物もみんな。壁にぶち当たっても、逃げずに向かっていこうとする…それは恋愛に限らず、仕事とか、作品作りとかでもそうだと思うんですけど、そういうスタイルは本当に尊敬できるし…。だから、真山がストーカーっぽいことをしてても、そういうテイストだけは絶対に失っちゃいけないな、って思っています。いいヤツでいないといけない、ということは大事ですね。普段は森田さん(成宮寛貴)といっしょに竹本(生田斗真)のことをおちょくったりしてますけど、彼とふたりだけのシーンでは、声のトーンをちょっと落として語りかけるようにしてみたり…そういう細かいところも楽しんでいますね。
面白いです!いつも楽しみにしているんですよ、僕も(笑)。『ハチクロ』の醍醐味って、せつない恋愛はもちろんですけど、それと同じくらいの比重でコメディー・シーンも大事だと思うんです。そこら辺は、映画にはない部分だったのかな、って思いますし。そういう部分は、原作ファンのみなさんにも喜んでもらえるんじゃないかな、って思うんです。当然、原作とはズレてくる部分もありますけど、原作とまったく同じにやるんだったらドラマにする意味がないし、漫画には絶対勝てないんですから。だから、そういうコメディーの部分も、映画に描かれていなかった部分を僕らがやっている、っていう風に僕は捉えています。