Q:先生、これはどういった症状なのでしょうか?
A:これは【下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)】だと思われます。
脚の静脈に流れる血液は重力に逆らって心臓に戻らなくてはなりません。
そこで歩いたり、足首を動かしたりして運動をすることでふくらはぎの筋肉を収縮し、
これがポンプの作用となって静脈内の血液を心臓へ向けて押し上げていきます。
そして、静脈の中にはいくつもの静脈弁があり、押し上げられた血液が逆流しないようになっています。
ところが、この弁が弱ってしまうと血流の逆流が起こり、溜まってしまい静脈が浮き出てコブをつくります。
これが【下肢静脈瘤】です。
症状の特徴としては、脚の静脈が浮き出て見えたり、表面にコブ状のふくらみが目立ったり、茶色の染みができたり、かゆみを伴う場合もあります。
この方は静脈が浮き出たりなどの見た目の症状が出ていないのと、また歩いたりすると元に戻るとのことなので、まだ軽度でしょう。
ひどい場合は、皮膚が硬くなり、黒褐色の色素沈着を起こしたり、ちょっとした傷から皮膚がただれたりします。
Q:どんな人になりやすいのですか?
この症状は美容師、調理師など立ち仕事が多い方がなりやすいです。また患者の8割が女性で、日本人女性のおよそ5人に1人が【下肢静脈瘤】を持っているとされています。
Q:【下肢静脈瘤】になってしまう原因は?
A:原因はいくつかあり…
@ 遺伝的な要因
血管の弁にも個人差があり、これは遺伝的な要素が大きく影響している。
A 運動不足
ふくらはぎの筋肉を収縮し、静脈内の血液を心臓へ向けて
押し上げていきますので、脚を動かさないと【下肢静脈瘤】
を悪化させやすくなります。
B 年齢
加齢とともに静脈や弁が弱くなるので、高齢になるほど【下肢静脈瘤】は多く見られます。年齢的には50代が一番多いですが、初期症状であれば10代からでも症状はあらわれます。
Q:どういった治療法があるのですか?
A:弱ってしまった静脈の弁は回復することは難しく自然治癒は望めません。
しかし症状がひどくならないうちに治療に専念することで完治はします。
この方は、まだ軽度だと思われますので一度、血液外科がある病院で診てもらうのが良いでしょう。
具体的な治療法は一度、エコー検査で問題のある静脈を把握して、その後、注射によって患部の静脈を塞いでしまう硬化療法や手術で静脈を取り除く方法があります。
「静脈を塞ぐ」と言っても【下肢静脈瘤】が出来るのは、そのほとんどが太い静脈から枝分かれした「細い静脈」ですから脚の血流全体には影響を及ぼしません。また、ひどい場合は手術で静脈を取り除く事もあります。
また悪化させないための専用のストッキングも病院で販売していますし、定期的にストレッチをするのも効果があります。