吉原知子のWGPを100倍楽しむ!!
ワールドグランプリは決勝まで進み、日本は6位という結果で無事終了しました。
さて、吉原知子さんが、よりコートに近い感覚でバレーの見方、そして今の全日本チームについて伝える“吉原知子のWGPを100倍楽しむ!!”スポーツコラムも最終回。
今回は、決勝ラウンド・イタリア大会のレポートと、現在の心境を語ってくれました。みなさま、応援ありがとうございました!(2006年9月11日)
7月半ばに行われた制作発表の様子>>>
アスリートインタビュー
アスリートインタビュー
第九回 決勝ラウンド
 決勝ラウンドがイタリアで開催されました。世界のトップチームと対戦できるということもあり、私も凄く楽しみにしていました。ロシア、ブラジル、そして中国。日本が対戦したチームはどこもメダルを取るようなトップチーム。ロシア、ブラジルとは予選ラウンドでも対戦しましたが、やはり何度やっても強い!!
 ロシアはミスが減りセッターが安定してきたら、本当に金メダル候補。少なくともここ1本という時には1発を持っている。そして、ブラジルもチームとしてまとまっている・・・。日本はそのブラジルから1セット取りましたが、相手はバレーを理解している選手が多く、駆け引きがうまい!! なんと言ってもラリー中の「速いテンポのバックアタック」。少し波はありますが、チーム力として現時点で世界No.1と言ってもおかしくないチームだと思います。ロシアも、ブラジルも北京五輪に向けて走り出しているんだなという感じを受けました。

 中国とは、この決勝ラウンドで初めて対戦しましたが、怪我もありベストとは言えない状態にもかかわらず、かたいバレーをしていました。中国と言えばサーブで崩し、得意のブロック、そして速い速攻で切り返す。やられているという感じはしないけれど、いつの間にか得点を取られる。ミスが少なく自分の役割をしっかり理解しているチームだと思います。

 日本チームは良い時は本当にすべてがうまくまわるんですが、1つネジをかけ違うと一気に壊れてしまう。波が少し激しいかな。チームが崩れている時に「早く」立て直さなくてはいけないし、お互いのコミュニケーションが必要だと思います。声をかけ合ってはいると思うけど、もっともっとコートの中で言葉が必要なんじゃないかと思いました。若い選手、初めてコートに立つ選手がいる時は、今まで以上に“声”が必要だから・・・。本当の意味でつながりがもう少し出てきたら、今より良くなる部分はたくさんあると思います。

 とは言うものの、決勝ラウンドに出場した他のチームも日本チームもよく戦ったと思います。この短期間に移動、試合となると、コンディションを維持し続けなければならない(モチベーションも含めて)。そういうことは当たり前と思う方もいらっしゃるとは思いますが、スポーツをしていく中でコンディション作りは年を重ねても一番難しい部分だと思います。

 このワールドグランプリを通して、荒木選手、小山選手、石川選手は顔つきがどんどん変わっていったように思います。1試合1試合、自信をつけていったのではないでしょうか。他の選手も、1人ひとり立場は違っても、それぞれ大変な部分、辛い部分、嬉しい部分があったと思います。選手によってはくさりたくなるような気持ちになった人もいるかもしれませんが、それは全部意味のあることだと思う。だから今回あまりコートに立つチャンスがなかった選手こそ、次回は絶対にコートに立つという強い気持ちで目標をしっかり持って頑張り抜いて欲しいと思います。
 日本チームはたくさんの可能性を秘めている。でも、それを生かすも殺すも自分たち次第。やらなくてはならない事、特にサーブやサーブレシーブなど・・・課題は明確になったので、あとはみんなが同じ目標を持ち、同じ情熱で頑張って欲しいと思いました。
 ワールドグランプリ、本当にお疲れ様でした。

 私自身のことなんですが、引退したことに対して、後悔はしていないと思う。ただ、何かが心に引っかかっているのが今の正直な気持ちです。最近なんとなく思っているのは、今までバレーボールをしてきた中で目標を立て、それをほとんど叶えてきました。でも、バレ−を始めた時から「オリンピックのメダルが欲しい」と思ってプレーしてきて、1番欲しかった物が手に入っていないから・・・だから心に引っかかっているのかな???なんて思いました。
 今回初めて外からバレーを見て、今まで気がつかなかったこと、見えていなかったこと、いろいろと私自身が勉強になりました。そして、このコラムを書かせて頂き、みなさんにうまく伝えることができたかわからないけど、読んで何かを感じてくれたら嬉しいなぁ・・・。
 それともう1つ、みなさんと一緒に応援できたことも嬉しく思っています。これからも全日本、応援し続けましょうね!!
 では、皆さん、短い期間でしたが、ありがとうございました。
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