あらすじ

真冬のスキー場、一面の銀世界で、どてら姿の山下清(塚地武雅)が震えている。花火が好きだという清に銀世界で打ち上げる花火を見せて絵を描かせ、一儲けを企む怪しい画商、岡本(森本レオ)が連れて来たのだ。だが、打ち上がった花火のしょぼさと、あまりの寒さから清は逃げ出してしまう。岡本は清を任せてくれた市幡学園の園長(津川雅彦)に連絡する。怒る園長だが、その口からは、また清の放浪癖が出たとため息が漏れた。

岡本から逃げ出した清は、暖かい土地を求めて一路、南へ。長距離トラックの荷台に忍び込み、着いた先は九州、宮崎県。宮崎県庁で知事(東国原英夫)と相手が誰ともわからず交流したり…と、さ迷い歩く清は、いつものように空きっ腹。ついにへたり込んだ清は、傍らでむしゃむしゃとパンをほお張る少年、矢部健一(澁谷武尊)と出会う。清がパンを分けてもらって食べていると、パン屋のオヤジがやってきた。見ると健一の姿がない。どうやら健一はオヤジから盗んだパンを食べていたらしい。捕まりそうになった清だが、健一の助けを得て逃げ出すことに成功する。
逃げては見たものの清の空腹は収まらず、健一もいなくなった。座り込んでしまった清に、走ってきた大場美津子(大塚寧々)がぶつかる。美津子は詫びにと釜揚げうどん屋に清を誘ってくれた。満腹になった清が美津子と店を出ると、矢部孝介(金子昇)が声をかけてくる。その姿を見た美津子が逃げるようにその場を去ると、声を荒げて追いかけようとする孝介。清は、そんな孝介を引きとめるのだった。

孝介が焼酎メーカー矢部酒造を営む家に帰ると、遠山市子(久保田磨希)が慌ただしく出迎えた。孝介の息子、健一がいなくなったのだ。父親の伸一郎(梅宮辰夫)のもとに行くと、健一は最近、声が出なくなってからは外出したことがないと心配している。
清は奇岩で知られる青島海岸、鬼の洗濯板で画材を広げていた。話しかけてきた露天商から地名の由来を聞いた清は、宮崎には本当に鬼がいるのかなと首をかしげる。すると、そこに健一が現れた。清が泥棒はいけないと健一をたしなめていると件のパン屋がやって来る。清は、今度は健一を伴って逃げ出した。
その頃、久しぶりに上京した米山ヨネ子(水川あさみ)は、園長から清がまた放浪の旅に出たことを知らされていた。清を慕い、世話係を自認するヨネ子は…。

夕方、美津子は家に帰ってきた。美津子の実家は焼酎メーカーの大場酒造。亡き父の跡を継いで母のきく江(野川由美子)が切り盛りしているが、美津子は、昼はゴルフ場のキャディー、夜はスナックに勤め、何かのためにまとまった金が必要な様子。そこに伸一郎と孝介がやって来た。伸一郎はけんか腰で美津子たちに健一を返せと迫る。きく江は商品名を盗んだと同じくけんか腰で返すのだが、美津子は健一の身が心配だ。
清は健一と公園の一角の遊具の中にむしろを敷いて、一晩の寝床を作っていた。清が健一の見つめる写真をのぞくと、そこには昼間、うどんをご馳走になった美津子が写っている。母親かと問う清にうなずく健一。清は自らの経験から、健一が美津子を求めて家出したことを悟った。

翌日、清は健一を美津子に会わせようと油津へと歩き出す。途中、神社で天の岩戸伝説にまつわるお神楽を見学したりしながら日南海岸へ。その姿を美津子が見つけ声をかけようとするのだが、一足早く、孝介と市子が清たちに近寄った。連れ戻そうとする二人を嫌がる健一を清が助けた。健一は、清に孝介が父親で伸一郎は祖父、市子は家庭教師だとスケッチブックに書いて教える。しかし、孝介たちが嫌いかと尋ねる清に、健一はうつむいてしまった。二人を探し回る伸一郎をスケッチブックに「オニ」と書く健一。清は宮崎にはやっぱり鬼がいると納得する。
伸一郎たちが去ると、清と健一は再び歩き出し、途中、首につけた鈴がシャンシャン鳴るシャンシャン馬と出会う。後を追うと鵜戸神社へ。巫女からシャンシャン馬にまつわる嫁入りの風習を聞いた清は、健一に美津子も馬に乗ったのかと聞くが、答えはなかった。
一方、なかなか健一を連れ戻せないことに業を煮やした伸一郎は、ついに警察署に捜査を依頼する。清にかかった容疑は誘拐罪。
果たして、清は健一を無事に美津子のもとへ届けることができるのだろうか? 美津子と孝介、その実家、矢部酒造と大場酒造の因縁とは? 清の鬼退治の結末は…。


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